特定非営利活動法人産学連携学会の利益相反マネジメントにおける暫定方針

2011年12月17日

1.はじめに

 我が国においても、組織における利益相反マネジメント体制の必要性が説かれるようになって久しい。実際、その実効性についてはひとまずおくとしても、社会的に大きな影響力を持つ民間企業等においては、一応の体制整備が既に完了しているようである。一方、近年の産学連携の飛躍的な進展は、大学や学会をはじめとする学術研究機関における利益相反の問題を一層深刻化させている。にもかかわらず、医学系を除く我が国のそれら機関における利益相反マネジメント体制の整備は、諸外国の対応する組織と比肩し得るほどに進んでいるようには全く見えない。このままでは、本邦の学術研究機関への社会的信頼は大きく低下していかざるを得ないだろう。

 憂うべきは、学術研究機関における利益相反の問題を深刻化させる最大の要因となっている産学連携という社会的事象を研究の対象とし、その研究成果を学問分野として確立することを目的に設立されたはずの本学会においてすら、自身の組織における利益相反マネジメント体制の構築が全くなされていない、ということである。その意味で、現在本学会は「産学連携学」確立のリーディングエッジ(さきがけ)たる当事者能力の欠如を指摘されても仕方がない状況にあるといってもよいであろう。この課題への取り組みを本学会がこのまま怠り続けることは、やはりその組織としての使命に照らして正しくない。 しかしながら、本学会は設立後わずか10年の歴史しかなく、会員数も300人足らずの小さな組織である。上述の状況の原因をその構成員の努力不足のみに帰するのは明らかに不当であろう。さらに、自前の事務機構すら持たないこの組織において、先行する医学系や欧米の学会のような大きな組織の、完備した包括的な利益相反マネジメント体制を直ちに構築しようと試みることは、単に困難であるばかりではなく、無意味ですらある。

そこでまずは、理事会など本学会の事業展開上大きな責任を担っている部署の役職員などが従うべき最低限の行動規範を明確化し、当面はそれに従った組織運営を継続しつつ、本学会組織の発展に歩調を合わせて、徐々にその体制整備を進めていくことが望ましいと考えられる。ここでは、遵守されるべき暫定的な行動規範を定めるに留め、最終的な利益相反マネジメント体制の整備に必要な規程や細則の制定等は、それら行動規範の実践経験から得られた知見に基づき、理事会などでの議論を経て、会員に提案されるべきものであろう。

2.利益相反マネジメントの対象者

3.利益相反マネジメントの対象となる学会の活動

4.報告すべき事項

 対象者は、個人における以下の(1)~(7)の事項のうち、前節に示した本学会の活動に影響を与える懸念があると本人が判断するものについては、理事会にその事実を報告するものとする。

5.利益相反の回避について

 利益相反の回避については、上記報告を受けた理事会において個別に検討する。そこで利益相反の回避が必要であると判断された事柄に関しては、当面、利益相反が生じている事項に関わる議決や活動に当該人物を携わらせないこと等の手段で対応するものとする。それらの事例は、将来の利益相反マネジメント体制整備に資するものとして、理事会や所轄の委員会において記録する。

PAGE TOP