お知らせ
2026.06.11 (木)
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【産学連携学会第24回大会 金沢大会】知的財産権研究会からのお知らせ
金沢大会オーガナイズドセッションご案内
ー我が国知財権研究を知財専門委員制度等から具体事例を通じて考えるー
「改めて我が国知財権研究を知財専門委員制度等の具体事例を通して考える必然性とメリットを考察する」
ー我が国知財・知財権元年2003年から23年の2026年ー
1.会長挨拶:
小野浩幸
2.発表1・主旨説明:
金沢大会では、上記のようなテーマでオーガナイズドセッションを開催致します。
3.発表2・研究会会員から:
狩野幹人(三重大学・学長補佐・准教授)、知財権研究会員
セッション演題
【我が国知財権研究を知財専門委員制度等から具体事例を通じて考える】
此のオーガナイズドセッションの主旨説明として、我が国知財権研究や本学会
知的財産権研究会の活動につき述べて、今後の研究方向性等を考察する
座長 湯本長伯(社会構造設計研究所)
発表1(主旨説明;湯本長伯(社会構造設計研究所)
「我が国知財権研究を知財専門委員制度等から具体事例を通じて考える」
【共著者・村上晶子【明星大学教授・前副学長】
発表2狩野幹人(三重大学・学長補佐・准教授)
「知財高等裁判所・知財専門委員研修会における経験と考察,実務への展開」
討論 知財権研究会メンバーほか参加者
我が国知財権研究を知財専門委員制度等から具体事例を通じて考える
我が国知財権研究が活発化したのは、2003年、小泉純一郎内閣による知的財産基本法の問題提起に端を発したと言えよう。
奇しくも此の年に本学会も創立されている。と言うより、「産学連携」「イノベーション推進」「知的財産・権重視の産業活動等は此の時点でほぼ一体の概念であり、数10年に渡る産業活動と経済の停滞を打ち破ることは、国政の喫緊の課題であった。
此処では此れに関する議論を繰り返す意図は無いが、知的財産基本法の制定・施行以降の政府の動きはかなり素早く、特許庁強化(審査官数倍増)・知的財産高等裁判所の設置、そして知的財産専門委員制度の施行と矢継ぎ早に進んだ。
知的財産専門委員制度の施行もかなり革新的なもので、かなり閉鎖的な世界である法曹界に司法関係者でない者を入れて裁判を行うなど有り得ないことであった。
筆者はたまたま縁あって第1期から専門委員を務め、その充実も子細に見ることが出来た。
勿論、此れらのプロセスには、荒井寿光事務局長始め、内閣府知的財産推進事務局の活躍を銘記しておく必要があろう。
さて此の制度は、「法曹関係者でない者が知財権裁判に陪審して意見を述べ」或いは「争点の核心に近い問題点につき技術的な観点から専門家として意見具申を行う」「争点整理についても議論を主導する」等々、それまでは有り得なかった状況を産み出した。此れは、裁判から閉鎖的な思考を少しずつ払拭する効果も有ったが、何より有意義であったのは裁判毎に当該知財権につき厳しく争うことで、「知財権」そのものを不断に再考察することになったことであったと思われる。
何故なら、「特許権等の知財権を争うこと」は「知財権の波及範囲を争い原理がどのような状況・条件下で権利として認められたかを再考察し、更には審決取消訴訟となれば知財権そのものの成立過程まで問うので、実は不断に個々の知財権を通じて「知財権」そのものを問うているに等しいことになるからである。事実、此れまでの本研究会の繰返しにもなるが、知財権裁判の中身は当該「知財権の波及範囲を争うこと」と、そも知財権の成立を争う「審決取消訴訟」に2大別されて来た。
此のいずれも知財権そのものの存在(成立)を争うことになって来るので、様々な問題を問うことになるのである。
もちろん知財権を再考察する場面は他にもあり得るであろうが、此の極めて好都合な場面を見逃す訳には行かないのである。
まとめ
知財専門委員制度に関わる人は多く、その受け取り方や扱う具体例も異なるし多様である。結論的なことをことさら急ぐ必要はないが、此の制度に注目して様々な観点から考察を積み重ねることは、間違いなく有意義であると思われる。と同時に、此れからの社会にとって2003年の我が国・知財元年に立ち戻り、絶えざるイノベーション推進の重要性と、その為には知財権の正しくキャッチアップし続ける理解と正しく社会活動に反映し続ける努力が必要と思われる。
また、専門委員9期18年の経験から、「知財権裁判」の内容が余りに特許権に偏り、特に「かたち・形象世界」の知財権である「商標権」や「デザイン・意匠権」等の裁判事例が少ないことは我が国社会に取り問題である。2つは本質は少し異なるが、今後の社会や知的活動の方向性を考えると、我が国知財権の世界をキャッチアップしているか、一考を要する問題である。
筆者はたまたま縁あって第1期から専門委員を務め、その充実も子細に見ることが出来た。
勿論、此れらのプロセスには、荒井寿光事務局長(当時)始め、内閣府知的財産推進事務局の活躍を銘記しておく必要があろう。
知財権の範囲は拡大を続けて来たが、生成AIの登場、多様な実用化・社会実装で一気に拡大した。最も古い知財権たる著作権でさえ、その実質的在り方を問われ、データベース誕生以来の衝撃を与えている。我が国社会は変化に備える必要がある。知財専門委員制度等から具体事例を通じて我が国知財権研究を考える必然性とメリットを研究会内に拘らず共有することで、今後多くのことを得られるのではないか?そのように想う次第である。
2003年以来の大議論を期待したい。
(正会員・湯本長伯・知的財産権研究会代表)